幸せだった頃の思い出ほど色あせることはない、 とまだ母親が傍にいる間は、そう思っていた。

弟はとても父親と母親のことを愛していて、尊敬もしていて。しかし自分は反対に両親のことも信用していなかった。
勿論、血を半分わけた他の親族たちも、……本当の兄や姉のように接せられても、ルルーシュは、自分の半身であるかのような
弟ナナリー以上の存在であるとは思えなかった。



「……なな、り……」




宵闇に月はすっぽりと隠れてしまう時刻。丑三つ時はとうに過ぎて、ルルーシュは昼間気を失ってからずっと床に伏せていた。
その傍らに頭だけ寄りかかっていたスザクは、少女の細い吐息に顔をあげる。パサリ、と散らばってしまった黒髪を梳いて、
労わるように肩口へ撫でつけた。薄く、小さな唇から洩れた名前が自分ではないことに軽い落胆を覚え、同時に
少しの安堵も感じて。ルルーシュが幸せだった頃のことを夢に見ている。その世界では両親や弟も含む家族に囲まれているのだろう。
幸せかい?ちゃんと笑えていますか、殿下、とスザクは口元だけで呟いて、かさついたルルーシュの掌を両手ですっぽりと包んだ。
「------……ナリー」
「はい……」
相手は自分ではないのに、問い掛けに答える。ルルーシュも意識があって呟いているのではないのだろう。白んだ面差しに
月の輪を描くように丸められた口元が、笑みを結んだ。
「だ、めだよ……そこは、俺にはいけない、とこ……」
「……ルルー、シュ?」
「だから、ちゃんと……お願い、手を……」
支えるように包んでいた指先が、ピクと動いて、准尉の掌を掴んだ。
それを慌てて握り返す。一体夢の中では何が起こっているのだろう?表情はとても穏やかなものなのに、何故か繋いだ指先は
震えている。
「ルルーシュ」
「……う、ん……?」
ぱちぱち、と睫が震えて、すぐに紫電が瞼から覗いた。ルルーシュの意識が戻ったのだ。
「あれ、俺」
「ずっと眠ってたんですよ、貴方は。……咽喉とか、お腹、変じゃないですか?」
「ちょっ……と、痛いかも。でもその、これは自業自得だから……」
「わかってるじゃないですか」
「--------心配、かけた」
フン、と不逞な態度で主君を見下ろす騎士に対してム、と口を曲げてみたが、ルルーシュは出かかる言葉をぐっと呑みこんで素直に
謝罪を口にした。とても、淡白なものではあったけれど。
「もしかして、ずっとついててくれたのか?昼から?」
「少し大学部のほうに出てましたけどね。その間はセシルさんに任せて、後は僕が出来る範囲内で済ませましたけど」
「えろいことしてたんじゃないだろうな」
「……信用ないな……」
薄い闇の中でも解りやすいくらいに解る少女の怪訝な顔に、少々の情けなさも込めて翡翠を伏せた。
決して不機嫌に眉を顰めたわけではないのだが、何故か今日に限って優しい騎士に少しの恥かしさも芽生えて、ルルーシュは軽く
身じろいだ。と、そこで繋がれた指先に気づく。ルルーシュはそれを見て固まって、スザクは『あ』と小さく声に出して離そうとした。
が、
「夢で……」
吐息のような柔らかい呟きが洩らされ、ぴく、とスザクの動きも固まる。判然としないその表情に心が読めない苛立ちを感じたが、
スザクは離そうとした指先から力を抜いて、またそっと握り返した。ルルーシュもそれを待っていたかのように口元を綻ばせる。
まるで、形も質の作りも違う掌だな、と互いに思ったりもして。
「准尉……その、少し聞いて欲しい話がある、んだ……」
「はい」
「ながくて、多分きっとうまく纏まらないと思うんだけど、お前に聞いて欲しい」
「----------」
「いい……?」
ごく近い距離で密やかに交わされる受け答え。准尉はルルーシュの問いに首肯で応じ、繋いではないほうの腕の肩肘を枕元について、
横たわる主君のすぐ傍らに顔を寄せた。ふ、とそのもっと近くなった距離に笑みを深くしてルルーシュは、視線を転じて天井を仰ぐ。
ぽつり、ぽつりと、色あせない筈だった思い出を話し出した。

「多分、英国の中にいる数多い皇妃のなかで、マリアンヌ……俺の母親だけが皇帝に軍務につくことを認められていた。
それはナイトメアに騎乗出来る、その適性があるからってことで、騎士候にも選ばれたんだけど。でも俺には、その素質は
受け継がれなかった。ナナリーのほうが、ナイトメアとは相性がよかったんだ。
俺はね、それに何か、すごい疎外感を受けてて……信頼とか、尊敬とか愛情とか。どうしても親に対する感情にムラがあったんだ。
だからこそその分、ナナリーに依存してたんだと思う。ナナリーに見放されたり、跳ね除けられたりしたらもう生きていけないって、
ずっとあいつの後ばかりついていたんだ……。先導し、守る立場に居る姉のくせに、ずっと後に従ってた。あいつの行く所
去る所、やることなすことまで全部受け入れて、甘受して……内に篭って。まるで、自分自身の世界に檻を作るように」














今も胸に木霊する、




















「お〜め〜で〜と〜!」
ガタン!と一際大きな音が倉庫内に響き渡った。英国の皇居とは少し外れた軍基地の内部に、第二皇子がある人物の実験室用に
間借りした施設がある。旧友でもありいわゆる英国内での理解者であったロイドは、そこに住まうように毎日試作兵器を作っては
スポンサーでもあるシュナイゼルへ見せていた。しかしいつも制作するのは兵器ばかりではなかった。母体であるのはそれなのだが、
今回はシステムや外装などではなく適応検査であった。先日シュナイゼルが部下に隠密に調査に行かせ手に入れた、流体サクラダイトと
KMFの。
第一世代から第六世代までは祖父の手によって進化されていた。が、ロイドは傍で観察しながら別のアプローチの仕方もあるんじゃないか、
と思った。つまり、無機的である機体の動力を、電気や蒸気ではなく有機的な何かで補うこと。それは、政府で認可されていない
未発見の生態であってもいい。
うるさかった祖父が死んで三年、そしてそれから二年かけて適応検査に合格した。ロイドはめずらしく頬を紅潮させて
奇声に驚いて駆け寄ってきた助手の女を腕で押しやり皇居の本邸へ走って向かった。






「その話は真か、シュナイゼル」
「は、皇帝陛下」

人間の血の色を凝縮したかのような華美な絨毯の上にある、天上の玉座。其処に座る人物に向かって深く頭を垂れたまま、
口元だけは卑しく歪ませてシュナイゼルは旧友の検査の結果を告げた。当時成人したばかりの20であった頃。同じくロイドも
目の上の煩い蝿だと、邪魔に思っていた技師の祖父が逝去した後の、絶頂の期間であった四年前。

ランスロットが開発されるきっかけともなった事件の少し前の話である。

「とうとうあの流体とKMFの適合実験が成功されたのです、陛下」
「……」
皇帝への謁見を求める者は少なくない中、シュナイゼルは一刻を急ぐと言って無理に玉座の前へと顔を出していた。
頭を垂れていた体勢から立ち上がって、起立する。目の前で寡黙に佇む父親は、ひたと紫電の眼差しを息子へ向けていた。
重い空気は嫌いじゃない。この沈黙は父が相当悩んでいる証拠であり、シュナイゼルの提案が、思惑通りに遂行されようとしている
予兆のようなものであった。
「エリア11……元は日本という国を占領した所に、第七世代KMFと成りうる機体の資源が眠っておりました。”富士”といいます」
「そのサクラダイトという物質……、ガウエインごときで手に入れられると思うのか」
「やってみせます。そうすれば第六世代に幕を下ろし、続くように第七、第八のKMFを造れることでしょう」
自分は本気だった。ロイドと英国の軍事を更なる強固のものにしたらしめよう、と幼い頃から誓っていたのだ。
シュナイゼルは礼の形もとらず、早速姿勢を反転させて玉座を後にした。首を振ることでしか力を発揮できない老人。そんな目でしか
もう皇帝を、父としてしか見れなくなっていたから。








後は、パイロットだけだった。









普通はナイトメアに騎る人間のことはデヴァイサーと呼ぶ。しかし、ロイドの祖父が最期に着手したガウェインという機体だけは、
他と違っていた。乗員数がひとつではなくふたつ……つまり複座式であったのだ。
当然機体とシンクロさせる為のメンテナンスも通常の二倍となる。ロイドはすぐにでもサクラダイト発掘の為に作業に取り掛かりたいと
言っていた。シュナイゼルも『あてがある』と頷いて、皇帝に謁見したその足で離宮へと向かったのだ。
「ルルーシュ、ナナリー」
皇居のはずれ、燦燦と日の差し込む中庭、そこに二人の黒い姉弟が居るのを知っている。姉で13になったばかりのルルーシュ、そして
三つ離れた弟のナナリーである。
栗毛の、菫色した瞳が印象的な弟は、KMF製造に大きく協力してくれたマリアンヌの血を色濃く受け継いでいた。
反対に姉であるルルーシュは皇帝の血のほうが強く、あまり機体との適合も接点も無かった。
「異母兄さま」
駆け寄ってくる細い手首を広げた両手に包み込んで、10を迎えた異母弟を見上げるようにしゃがみ込んだ。ルルーシュが、とぼとぼと
その後を付いてくる。なにか嫌な予感を察しているような、冴えない表情をしていた。
「離宮までやって来るなんて珍しいですね……母さまへまた花を持ってきて下さったのですか?」
「いや。今日は違うよ。……お前達にね、頼みがあってここまで出てきたんだ」
「私、たち?」
ナナリーが静かにそっと、後ろにいる姉へ振り返る。ルルーシュはそれに首を傾げてみせて、そっと異母兄の様子を伺った。
言葉を待っている姉弟たちに、迷い無くシュナイゼルの唇は動く。

「ナイトメアに騎ってエリア11に渡ってほしい」

「ナイ、トメア……?」
それに声を上げたのはルルーシュで、脅えるように瞳を開いたのも彼女であった。
しかし反対にナナリーは顔を爛々と輝かせて、手を握り返す。その姿を悲しそうに後ろで見つめられてると思いもせず、
ナナリーは異母兄の願いを受け入れた。

ガウェインがロイドの祖父と彼の手によって完成したその時、
試験体として騎ったのが”烏の姉弟”であったから。主にメインパイロットとして活躍したのがナナリーであったから、
シュナイゼルはそこに白羽の矢を立てたのだ。
(俺は母さまの血は受け継いでいないから……)
「姉さま……?」
「ううん、何でもないよナナリー」
異母兄を見送りながら、視線を冷たいものへと変えてしまっていたのだろう。そういうものに敏感な弟が優しくするように
肩へと触れてきた。ルルーシュは安心させるように無理に微笑んで、珍しく自分が先を行くように前を歩いた。いつもは活発で、
突然走り出していく弟を追いかけてばかりいたから、こうしている事は、とても不思議に思えた。

「大丈夫。姉さまを守るのは私だから」

後ろに黙ってついてきたとばかり思っていた弟が、背中へと声を掛けてきた。中庭から皇居へと戻ろうとしていく道行きの中で、
ふと呼びかけられた言葉の重み、(どうして……)脅えているだなんてナナリーには気づかれていないと思っていたのに。
「ナナ……、」
「大丈夫だよ。後ろに居れば、ちゃんと姉さまは帰って来られるから」
「ナナリー」
「だから辛そうな顔はしないで。苦しんでるのが気づかれてないだなんて私のことを見くびらないで姉さま。
ナナリーは姉さまを守るよ」
「どうして私が」
「ふふ。---------ルルーシュ姉さまは弱いもんね」


















言葉は魔法だった。

簡単にルルーシュに呪詛をかけれたのだ。






















『ルルーシュ、お前はナナリーのサポートだ』
『ハドロン砲は未完成だから使用には注意してね〜』
『はい、姉さまを守るのは私だから』

いつの間にか立場は逆転していた。
駆け足も、乗馬も、運動も、体育の成績も、異母兄や異母姉……皇帝からの期待だって、気づけばルルーシュはすべてにおいて劣っていた。
何か欠点が無ければ、”欠点ばかりの自分”に弟の姉は務まらない。ナナリーの上に立つ”姉”は務まらない。

姉弟じゃない

いつの頃からかずっとナナリーの後ろばかり歩いていた。今度また騎乗するKMFでも、弟の背中を見ていればいいということなのか。
「姉さま?」
「うん、……ちゃんと此処にいるよ」
スーツに着替えてガウェインの後座に跨った。両手を伸ばしてハンドルを掴む。前にいるナナリーは頭だけ動かしてそのルルーシュを
伺い、飛翔する為の発動コードをキーボードへはじいた。
そしてスウ……と低く息を吸い、吐き出す。弟の緊張を緩和しようとする動きに目を見張った。
「お姉さま、……これが私達の騎る機体なんですね」
「ああそうだ。お前が前部で操作して、俺が後部で作戦を指示する。まるで俺達の為に作られたようなナイトメアだな」
前からの言葉に、肺の下からせり上がってくる本音を堪えて、真意を計られないように口にした。まさか、姉が弟の力を妬んでるなんて
そんな事思いもしないだろうと、ルルーシュはナナリーを見ていたから。
「-------この機体で、多くの国を壊すんですね」
「……ああ」
弟には未来のヴィジョンが見えている。英国が昔からやってきたこと、いまから行くであろう富士の山も自分達が蹂躙した国のものであること。
ちゃんと知っていた。
だから、次に吐き出された言葉も予想はしていた。言われる準備は出来ていたはずなのに。

「この機体が、人間を殺すことになるんですね」

ナナリーの優しい、変声期を迎える前の声音が耳をうつ。その音だけには伝えて欲しくなかった。わざわざ言って欲しくもなかった。
力ある者が最終的にどういうものを求めるか、結果が生まれるか、知っていてそれを口にするナナリーが本当に許せなかったから。
「そうだな」













相槌を打った後のことはあまり覚えていない。
ロイドとシュナイゼルが次世代KMFの為に咽喉から手が出るほど欲しがったもの。サクラダイト。桃色に発色するその物質を
霊峰から奪い取るようにガウェインで掬い取った瞬間の出来事……脳裏にいまも焼きつくその光景が、今までルルーシュが
思い出として留めていたすべてを、廃棄物にさせた。

「う、あああああああっ!!」


通信でしか繋がられていないからこそ、音声で届く現場、つまりガウェインの状況は悲惨なものだった。
麓に基地として駐屯していた部隊の通信機器を前に、ロイドとシュナイゼルは絶句し、ガウェインの開発の主に機動面を担当した
まだ研究員であったセシルは、その場に蹲っていた。鼓膜をひたすらに叩きつけるナナリーの絶叫が背筋を叫喚させたから。
「サクラダイトが、人体に汚染……?そんな、僕が想定していたプログラム以上の適合性があったということなのか」
「どういうことだ」
「だから、聞いてて解るでしょう。……ナナリー皇子の身に障害でも残ったら、KMFの動力には使えない……失敗だよすべて」
そこで作戦は中止。後にこれはサクラダイト流失事件と名づけられる。誰がそう流布したのかは知らない。ルルーシュは
当時そういうものをまともに受け入れる状況には居なかったし、倒れた弟と共に英国に帰還してからも、更なる凶事が
ルルーシュを襲ったから、事件を冷静に見つめる余裕すら生まれなかったのだ。













ナナリーの目と足を奪ったのは自分だった。
白さが目に痛い白衣を着込んだ男達に囲まれて、緊急医療措置をとられるナナリーの姿を見送った後も、その体が包帯だらけになって
戻ってきたときも、ずっと泣いていた。声に出さず、餓鬼のように身を震えたたせ涙を零していた。慰める人間は誰も居なかった。
いらない、と思った。優しくする人間も、慰めようとする人間も、力が無いくせに……無いからこそ弟をこんな目に合わせた自分には
いらないと思っていた。ルルーシュは後悔をして、無表情にずっとナナリーの耳元に懺悔の言葉を呟いていた。そんな弟から
『許す』の一言は結局与えられないまま、弟の体から歩くことと見ることが出来なくなってから数日後、ナナリーは死んだ。

キィ……キィ……。

午後のそよ風に揺れる開け放たれた格子窓。
聳え立つ新緑の木陰に倒れ伏す、ナナリーの肢体。
耳に密かな音を伝える、開閉される扉の動き。
すべて、立ち尽くすルルーシュの五感が感知する、世界のすべてだった。

「ナナ、リー」

「歩いちゃ駄目って言ったじゃないか」

「そこは危ないから、目離してる間は大人しくしてないと、非力な俺じゃ追いかけられないじゃないか」

「だから手を繋いだままでないと、いけないって言ったのに、言ったのに……」

乾いた土に這うのは蟻の子たち。小さな黒い粒が弟の指先やら背中を渡っていく姿を、ルルーシュは見下ろしながらのんびりと紫電に
おさめていた。
足は……地面についていない。ナナリーが飛び降りた窓の中に居た。つまり、ルルーシュは寝室から外の木陰を見下ろしている。




ルルーシュは木陰で休んでいたりなど、していなかったのだ。





「俺は弱いんでしょう?だから、手はしっかりと繋いでてくれないと」

一時傍から離れていたルルーシュはまた看病の為に部屋へと戻ってきていた。
その時ナナリーは起き上がっていて、危ない足取りで窓の格子を開けていた。
その背中に向かってゆっくりと歩いて行き、存分に自分の行方を探る弟を眺めて、やがてそれに満足した後、そっと両手を前に突き出した。
ドンッ。と。
いい音がしたと思った後は、すぐに潰れた肉の音が耳朶を打った。



まさか俺がずっと劣等感を抱いて、お前のことを見ていただなんて知らないだろう、ナナリー。そしてみんなも。
実は、その後駆けつけてきた兄君やロイドに見せた涙も、全部後悔と喪ってしまった寂しさからきたものじゃないということも、
自分では解っていたよ。













「准尉……確かに俺は、あいつに恨まれるべくして憎まれる理由のある人間だと思うよ。
ずっと誰にも言えなかったんだけどね?本当に、……俺が、ナナリーを窓の下に突き落としたんだ。

ねえ、これでも、----------『好きだ』って言える?」


変わらないまま、ずっと繋がられていた騎士と主君の手。ルルーシュはシーツに身を沈めたまま、淡々と胸の内を明かしていた。
スザクは、ひたと真っ直ぐ見つめてくる紫電に何を問われているとも計れず、数度瞬いた後、いつしか主君を抱き締めて誓った
あの日のように『イエス』と口にした。たった一言。散々過去の出来事に対して涙を零した彼女のことを思って、無感情なまでに
忠誠を露にした。

「馬鹿な奴」

出会って、主従の誓約を交わした後も離れることのなかった准尉の顔を見ながら、ルルーシュは笑った。

気づけば時刻はもう夜明け前。また朝を迎えようとしている。