元々自分の性別が女であることを意識してはいな かった。
というか論外だろう。自分はずっと、それこそ『お前のほうが女に似つかわしい』と思う弟の傍に居て、
ルルーシュは当然のように野蛮に振舞っていたのだから。今だって信じられない、准尉に身体を開かれたことが。
「……全く、どうかしてる」
鬱陶しげに巻かれたタイの紐を引っ張って、後ろに控えていた女中へ渡した。そうしたら前もって用意されていた
紺碧のドレスが一着吊るされてあって、その洋装に眩暈を覚える。こんなものを着用して、大衆の前に出ろというのか。
「きっとお似合いになられます、殿下」
新しく騎士となった銀髪が特徴的なヴィレッタという兵士が笑う。ルルーシュはその応えに『ふん』と鼻で笑って答え、
振り向きざまに言い放った。

「こんなものに身を包んで戦場に出られるか」







傾きかけた純情











「アッシュフォード学園生徒会、及び二学年転入生枢木スザクくんの歓迎会を開催しまーっす!」
陽気な調子で口上を述べたリヴァルが、栓が開けられたボトルを弧のように描いて、出席する役員みんなに注いでいった。
生徒会室に入って一息つく間に始まったそれに、スザクは大きく翡翠を見開いて固まってしまった。横にいたシャーリーがそんな彼を
ずずいと輪の中心へとやって、ミレイから割り取られたピザを開いた口に突っ込まれた。『むぐ』と低く呻きがあがって、
その様子にリヴァルがからからと笑う。そんな賑やかさの輪から外れて一人、ニーナは夢中でパソコンの前に座っていた。

未だにゴージャスフォーの一欠けらを咽喉に詰まらせるスザクへ、後ろからカレンが声をかける。
「水、で流したほうがいいと思うんだけど」
「あ、んがと……う」
ごくん、と飲み込んで彼女からグラスを受け取った。クラスの男子たちはカレンのことを病弱で、英国の中でも名高いといわれる貴族の
シュタットフェルトの後継者だと言っていたが、スザクはどこか、彼女とは初対面でないような気がするのだ。
それに、何だか同じ匂いというものを感じる。別に外見的に似ているところがあるわけじゃないのだが。
「ミレイさん、これ、何処に運べば……」
「あ、ナナリー!」
(……え?)
密やかな電動音を耳にして、後ろを振り返れば、其処には車椅子を座りながら操縦してやってくる、中性的な少年がいた。
制服からするに中等部の学生なのだろう。腰までのウェーブの髪を緩やかに下げて、膝には小料理の皿を載せている。
しかしスザクの心臓が鷲掴まれたのは、少年の容貌ではない。名前だ。
「ナナリー、ナナリーって言うのかい?君」
両目の瞼を伏せたまま、少年は頭上のスザクの呼びかけへと顔をあげる。不思議そうに首を傾げて、小さく頷いた。
「ナナリー・ランペルージといいます。私は中等部からの助っ人で、半人前ですけど……よろしくお願いしますね、スザクさん」
「こっちのクラブハウスに寄宿してるの。お祖父ちゃんが面倒みててね」
にっこりと口元だけで微笑まれた。日も差さない夕暮れの時刻であるのに、少年のまわりには健やかな春の日差しといおうか、
柔らかく肌をうつような透明感が包んでいた。その世界を雰囲気を心地よく思う自分に少しの違和感と脅えを感じながら、
その少年の膝元に足をついて、今度は見上げる姿勢で挨拶をした。
「よろしく、ナナリー」
「はい」
細い指先が伸ばされて、剣胼胝やら訓練の傷などで歪となった両手でそれをやんわりと受け取った。どこか慣れた感覚にやはり戸惑いながら。
(なんだろう、これは)
そう思いに沈む前に、軽食をテーブルに並べ終わったミレイとシャーリーにスザクは呼ばれた。リヴァルも先日の大掃除には
来なかったのにこちらには出席していて、その事を会長からイビられたりしていた。依然、ニーナはスザクの存在を気にせず
渡されたチキンを口に咥えたままキーボードを打つのに忙しくしていたが。
「……貴方」
「ん?」
ミレイ達に呼ばれたスザクは、シャーリーとの間に挟まれ色んな質問責めにあっていた。この学園は気に入ったか生徒会の仕事に不安は
ないか、皇女の騎士との兼業は出来るのか、新任の総督であるその人とはどんな会話をしているのか。等など。
そんな中、後ろから忍び寄るようにカレンがやってきて、会長たちには見えないようにスザクの手首を掴みとった。スザクはカレンの
その行動に眉をピクリとも動かさず、黙ってされるがままになっている。お互いに相手を窺い、底を知るような視線が交錯した。
「ちょっと上に出ない?」
「-------喜んで」
コクリ、と注いでもらったグラスを一度だけ傾けて、スザクは誘いに笑顔で応じた。














ルルーシュはいつだって自分の選択が正しいと思っている。というか、自分の下した決断さえ全う出来ない屑など、掃き溜めにも
残らない塵同然だと思っている。
だからこそ、自分のそうして固めた決意や信念を『考えられない』の一言で片付けられるのは我慢ならなかった。目の前のジェレミアという
クロヴィスの親衛隊員であった男は、隣を歩くルルーシュへ前を向いたままそう言う。
「まさかナンバーズである男を騎士にするなんて」
「それの何がいけない?」
「いけない、などと……。殿下のお決めになられたことを否定するつもりは毛頭ございません」
「なら無駄口を叩くな。貴様の発言は腹が立つのを通り越して不愉快だ」
今日は何故だか、気分の調子が低迷しているな……と自分に苛立ちながら、指をツンと上に立てて男の顎下をスルリと撫でて言い放った。
「奴を侮辱することは私を卑下することと同じであると心得よ」
「---------」
流石に固まってしまった部下をおいて、ルルーシュは先を進んだ。ヴィレッタが監視する前で着込んだドレスの裾は、やけに花々としていて
纏まりがなく落ち着かない。もっとこう、異母姉が着たら似合いそうなシックなドレスが良かった。どうして年相応だからといって
可憐なものばかり選ばれてしまうのだろう。
そして、今朝から身を包む倦怠感が、ドレスをさばく鬱陶しさをより増大させていた。肩が重く、胸がツンと張っている感じがする。
昨日、胸の内を相談したセシルから、故意的に月経の症状を遅らせる薬品は(非合法だが)貰えた。しかし、彼女はそれを受け取った
自分に『本当に後悔しないか』と聞いてきた。至近距離で、暗い部屋の中、互いに気配を感じるのは触れるのみの不安定な場所で。
『殿下、よく聞いてください。いまお渡しした薬は、本当は一般的には使われることのないものです』
『……ああ』
『先天的に身体の調子が生理の負担には耐え切れず、重度の貧血に陥ってしまう方々に向けて作られたものです。およそ健康状態が
悪いとは思えないルルーシュさまへそれをお譲りするのは、少し、戸惑いを覚えます』
『……すまない』
『ねえどうしてです?何故そこまでスザクくんを避けるのですか?』
『避けてなんて……』
『いいえ。いいえ、ルルーシュさま』
ぎゅ、と握られたままの指先に力が込められた。はっと顔をあげて、セシルの視線を受け止めた。その眼光は言外に『逃げるな』と。
『思春期だとか、……二次性徴だとか。そんな事関係なく、スザクくんは貴方のことを彼なりに思っているんだと思います』
『…………』
『キスされて、嬉しかったならもういいじゃないですか。許してあげましょう。誰も貴方が恋をすることを責めたりなんてしないんですから』
(恋、って------------)
違う、違うと思った。
いやこれは断定だ。自分はスザクを騎士とするとき、そのずっと前に異母兄の牢屋から引っ張り出したときに、『こいつなら俺を好きにならない』
『恨んでくれる』『最後には殺してくれる』『そういう相手だ』と感じて、思って、決め付けられたから傍に置けたのだ。

17の誕生日の日、誓約の場においてルルーシュは渡された刀剣の剣先を准尉のこめかみに突きつけた。それは、決して女としての情を
向けないということの証明であって。
こんな事になるとは思わなかった。准尉の腕や、濃淡の激しい翡翠に見られるのが心地いいなんて、髪を撫でてくれた指先が優しいなんて
思うはずなかった、---------英国を出るまでは。
”お前が俺のものになればいいのにな……”
”心にもない事を言わないで下さい、殿下”

”-----------貴方に”

誓約の景色が蘇る。

「……っ」

男は掲げた刀剣を横にもって、僅かに、そうほんの少しだけはにかむようにしてルルーシュへ笑ってみせたのだ。
普段は誰に頼まれても、眉ひとつ動かさない人間であるのに。


”仕えることを誓います。ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア殿下”


『すき』なんて、もう越してしまってるんじゃないかと思った。もう一度言おう。これは愛じゃない。愛であってはならない。
「だって俺……」
セシルに渡された錠剤を片手に、ひとりトイレに篭って泣いた。
愛し方がわからない人間が、誰かに同じものを向けられるとは思わなかったから。






























「日本人のくせにブリキの犬に成り下がるとはな」
ガラリと雰囲気が変わった赤毛の少女は、窮屈げに襟元のタイを寛げてベランダの手摺へと凭れかかった。
スザクは表面上穏やかな笑顔で、その罵倒を受け止める。やはり、そうか、彼女は先日アヴァロンを攻撃したテロリストの軍団の一人
だったのだ。確か、真紅の機体に騎って、日本の国旗を翻してたような気がする。
「お言葉だけど、君だってこの学園に居るじゃないか……、あ。もしかしてそれが演技?」
「演技もなにも、私はハーフだ。日本とブリタニアの」
「ハーフ?」
「そうよ。あんたみたいに純血種のくせに、英国に尾を振る犬じゃない。私は私なりに奴らをぶちのめそうと」
「テロじゃ何も変わらないよ」
「は?」
彼女には近寄ることはせず、屋上の入り口横でスザクは空を仰いだ。相変わらず富士鉱山は近いのに、淀んだ色合いで。
「知ってる……?奪ったものを取り返すより、変わったものを元に戻すほうが難しいっていうこと」
数メートル空いた距離でも、互いの視線の獰猛さがよくわかった。きっとナイフでも所持していたら、切りかかっていただろう。
元は同じ国の人間なのに。
が、スザクは処刑された男の息子として、今はもう消えてなくなった母に代わって、その少女へ口を開いた。穏やかなまでに、淡々と。
「人間はよく言うよね。悔しそうに毒を吐いて『殺してやる』って。でもね、それは無限の循環を生んでしまう楔以外の何物にもならない。
何処かで誰かが断ち切らなきゃならないんだ。相手を詰って消滅させる”解放”より、罵倒して一定箇所に閉じ込めて永遠に反省させる
ことを”強要”する、それが処断の仕方だと、僕は三年間牢に閉じ込められてそう感じた」
「お前……」
「わかるかい?君に。人の神経っていうのはね、拷問を受けたときの痛みより、その拷問を待ち受ける時間の方が苦しいんだ。
例えば僕が一番受けた責め苦っていうのが水責めなんだけど、……あれね、目隠しをされた状態で洗面器一杯に水が溜まっていく音を、
トプトプとあと数分後に行われる拷問を待つ間の時間、かならず何処かで人間は狂うと思う。僕は狂ったよ、今でも、
----------------英国の人間一人残らず『殺したい』と思うくらいには」
気づけば沈黙が落ちていた。学園傍の政庁では着任式典があるとかで、華華しい花火が飛び上がっている。もう時刻は夜半過ぎで、
そろそろ自分も参列するために帰らなきゃな、と思う。あの皇女の傍に居たいと思うから。
「……不毛なことを、してると思うわ」
「ん?」
「レジスタンスからテロ組織、その次には何があるんだろう?って思ってた。これでほんとに国が変わるの?私の家族は帰ってくるの?
って毎日自問する日々。憎いのはブリタニアで、向かってくる英国の軍隊じゃないはずなのに、私はたくさんの人をもう殺してる。
そうやって自分自身に問い掛け始めたとき……私はゼロに出会ったの。私たちの、私たちだけの戦う組織を作ってくれたの」
「ゼロ、それが指導者か。奴がクロヴィス殿下を」
「そうね、仲間内ではブリタニアの人間なんじゃないか、って言ってる……」
その少女の言葉に、何かの引っ掛りを感じた。スザクは怪訝に眉を顰めて、カレンへと歩み寄る。
「ゼロは、顔を見せないから」
「見せない?」
「そう。だから男なのか女なのかも解らない。ただ一つ言えることは、とても聡明で作戦を組み立てるのに長けているということよ」
「策士、か」
「----------黒の騎士団」
「なに……?」
いぶかしむスザクの視線を真っ向に受けて、カレンは作為げに後ろにある政庁を振り返った。花火がパアンと空に上がって、
闇夜が一瞬後に訪れる。そして、
「今日。……いま、騎士であるお前を私が此処で足止めしてる間に、ルルーシュ殿下を暗殺しようと式典会場に向かっているわ」
「---------!?」
驚く早さで手摺に凭れる少女を突き飛ばした。目の前に広がる景色は普段と変わらない、しかし何故か騒がしい。胸が慌しく
鼓動を打っている。スザクの顎を嫌な汗が伝った。

「肝心なときに傍に居ないなんて、ブリタニアの犬も相当な駄犬ね」

そのセリフが終わる前に、スザクは手摺を飛び越えて、夜の空に落ちるように政庁を目指して走って行った。


(ルルーシュ!)
頭痛がするほど頭の奥で何度も呼んだ。日本人にしては長めの脚をぐ、と曲げて地面へ着地する。衝撃が緩和する前に
無我夢中で体勢を立て直し、駆け走った。
ここは日本で、エリア11で、皇族にとっては決して安穏としていられる場所じゃないくらい解っていたのに、どうして自分は言うことを
聞いて、皇女の傍を離れてしまったのだろう。
(ルル、……っ)
珍しく息が切れるほどに胸を喘がせている。
振り上げる腕が限界を訴えて痛くなるまで、大きく振りかぶった。取り返しのつかないことになんて誰がさせるものか。
護ると決めたから護るのだ。

それは別に、ルルーシュを傷つけてしまったことへの懺悔ではないと、言い聞かせながら、
屋上で艶やかなまでに見下ろすカレンの視線の先、政庁を目指した。




















着任式典を待つ間、ルルーシュは予定の時間よりも到着が遅い騎士のことを考えたくもないのに考えてしまっていた。
(あん馬鹿……何で来ないんだよ)
脇を見やれば、静かな表情をしてジェレミアとヴィレッタが起立している。お前達の場所は其処じゃない、と言ってやりたかったが、
肝心の生騎士である彼が来なければ空けていても意味はないよな、と思って大人しく座っている。
その椅子は皇族用にアッシュフォードが寄贈したものだ。背もたれのクッションは柔らかくて、不調気味の皇女の身体にも適している。
すっかりルルーシュは気に入ってしまっていた。隣にはコーネリアが座る筈であったが、ドレスが嫌だだの民衆の肴にされるのが嫌だだの
言って奥に引っ込んでしまっているらしい。そうギルフォードからの報告があった。叶うなら自分もそうしたかったが、総督という
立場であるからそれも出来ない。すん、と小さく鼻を啜って、手摺に肘を乗せて頬杖をついた。
「殿下、もうお時間……」
「ああ」
「ふん、やはりナンバーズだからか、時間を守るということを知らないな」
「黙れ」
右肩に立つ騎士へと視線を寄越さずに言い放ち、ルルーシュは億劫げにセシルより渡されたマイクを受け取った。
後ろに控えているスタッフが、ステージの緞帳幕をあげようと慌しく集まっていく。そろそろ準備しなくちゃな、とルルーシュが
立ち上がったとき、上がりかけの幕の外で女性の悲鳴が聞こえた。
「きゃっ……!」
続いて会場一体に並べられたテーブルの砕ける音が響き、ルルーシュは尋常じゃないと、幕の下をくぐって外へと飛び出した。
其処には、テラス側の窓を突き破って放り込まれた煙幕が火を起こしていて、視界がとても悪く、どうすることも出来ない状況であった。
「何だ?一体何が起こって……」
「お前が総督か」
カチャリ、と後ろから肩に銃口が当てられ、ドレスの向き出しの背中が恐怖に粟立つ。声を聞けば少し若めの少年のようであって、
身長はルルーシュよりも頭ひとつ高かった。
すかさず回り込んできた仲間に口元を覆われて、ハンカチのような布をかまされる。
「んんっ!」
くぐもった叫びを消されてしまって、暴れようにもステージの端という不安定な場所であるからか、思ったような動きもとれずされるがままで
居るしかルルーシュには出来なかった。二人がかりで舞台の袖へと連れていかれ、同じく拘束したスタッフから頂戴したのか、
ガムテープで両手と足首を縛られてしまう。
「言うこと聞いて大人しくしてたら殺さずに置いといてやってもいいぜ?」
「馬鹿玉城。ゼロから生け捕りにしてこいって言われただろ」
「生け捕りって……あれマジだったのかよ、ゼロの奴」
後ろでブツブツと会話が交わされている。ルルーシュはシン、と大人しく黙っていて、心臓はバクバクと高鳴っていたがとりあえずは
状況を掴んで落ち着こうと深呼吸した。
そして、息をついた後後ろの二人へと声をかける。
「おい、お前達はゼロの」
「そうだよ、黒の騎士団サマだぜ。ブリタニアの皇女さま」
ガィンッ!と音がしたかと思えば、ルルーシュは柄の長い何か棒状のようなもので背中を殴られて、男の膝元に勢いのまま倒れこんで
しまった。
「か、はっ……」
薄めを開けて、もくもくと煙幕に白く濁る会場を見る。奥ではジェレミアや部下たちの怒声がうるさいくらいに交錯していた。
「く、そ」
「果敢なのは結構だけど、大人しく俺達に着いてきてもらうぜ。なにも殺すことが目的じゃないからな、黒の騎士団は」
「黒の、騎士団……?」
「-----------そう、黒の騎士団」
一瞬網膜を焼ききるくらい鋭い照明が、会場一体に差し込まれた。パチンと誰かが鳴らした合図と共にバタバタという足音が止まり、
怒号や叫び声が木霊していた室内が、再び静まり返った。そろりとルルーシュが目を開けた先には、筒のような一本の黒い陰が
立っていて、その人物の足元には銃火器を所持した人物たちが、ズラリと囲うように並んでいた。
それは、まるで。
「兵隊……」
「我々は、正義の名のもとに権力という名の悪を砕く為に生まれた組織、黒の騎士団。新生エリア11の支配者として来国された
ルルーシュ殿下を歓迎すると同時に、--------」
「ナナ……、」
ルルーシュは男たちに拘束されたまま、紫電を見開いた。首元まですっぽりと仮面を被っていても、ルルーシュには解る。まるで
何も変わらない、自分の、
「ナナリ……ッ」

「貴方には、再び死んでいただく」

その仮面の人物の手には、拳銃が握られていた。