帳のように包んでくれる優しさがあることを知っ たのは、母マリアンヌからではなく、
実をいうと弟のナナリーであった。
少年とも少女ともつかない、どこか中性的な容貌をもつ実弟は、いつでも自分の後をついて
時には先を引っ張って歩くこともあるくらい、ルルーシュの傍に居てくれた。それを決して迷惑になど思っていなかった。


だからか、たまに夜更けに窓を開けて空を見上げてしまうのは。


憂いに顰める眼差しの奥、じわりとこみあげる何かに促されるようにルルーシュは掌で顔を覆って、
最近とても早く進む自身の成長に怯えるように閉ざしていたクローゼットの鏡へ、頼りなく足を向けた。

ユーフェミアに刈りとってもらった黒髪は、うなじよりも高いほど短くされていたのに、今はもうその襟足は随分と伸びて
ルルーシュの首を覆ってしまっていた。
胸もどこか膨らんできて、サラシから下着へと替えたからかもしれないがやはり馴染まないその感覚に
眩暈を起こすように厚手のインナーばかり袖を通す。
こんな自分の外見を周りはどう思っているのか。こわくて訊けなかったがでも知りたい、と思って
恐る恐る見つめていたクローゼットの鏡へと、再度目をやった。


細い眉を寄せ合って額に皺を刻む白い顔は、やはり病的であった。
自分の変わり果てた容貌を観察するもう一人のルルーシュは、鏡の世界で無表情にこちらを見つめている。
ならばどうか教えてくれ、と、暗闇の中月に浮かび上がった同じ紫電へと問いかけた。

こんなにも陰鬱となる原因は何だ?
俺は、ちゃんと人の形をしている生き物になっているのか。

いつしか床に伏せるナナリーが訊いてきたのと同じ質問を、また自分へと詰問していた。

気づいたら時刻はもう三時を過ぎて、また眠れない夜が続いているということを自覚する。驚くことに、
もう5日、ルルーシュは部屋のクローゼットから離れられない。































「っすん……」

丁度自室の壊れた掃除機の音にそっくりな”人”の鼻を啜る音に、スザクは振り返って
俯きながら歩いていた主君の肩を咄嗟に止めた。
「……何?」
「----------風邪をひいてるのかと」
「まさか。この間の健康診断は俺的パーフェクトな”要検査”ゼロのすばらしい結果だった。そんなことには絶対ならない」
『絶対』という単語に力を込めたからか、聞いたスザクはなお胡散臭げに翡翠を顰めた。
「そんな言葉、軽々しく使わないほうがいいですよ」
「だって事実だ。今の鼻を啜る音だって、普通に人がしているものと大差ない。ちょっと歩いてる途中で息があがってきてしまって
呼吸を整えるために鼻を鳴らしてみただけなんだ。それのどこが可笑しい。最近少佐は俺のことにうるさすぎるぞ」
うるさすぎる、と言われたスザクは『確かに最近……』と思わなくもなかったので、主君の言葉に言いよどむ。
それに口では多分に勝てない部分があるので、スザクがこの件についてこれ以上問い詰めることは全くといって
勝因のない、負け戦に自身を放り込む以外のなにものにも為らないものでもある気がする、ので……。
それに執務中の彼女の機嫌を損なってはいけない、と短い付き合いながらも第六感が反応して、

「そうですか」

それだけ言ってまた先を歩き出すことにした。後ろから満足そうに『そうだそうだ』と声がする。

腹が立つ……。

ものすごく心配する気持ちが半分を占めているのだが、やけに話を自分の体調から離そうと思っている意志がオープンになりすぎていて
どこかスザクの中でそんなルルーシュへの不信が残る。
(まあ)
大丈夫なら、いいのだが。

そう納得づけることにして、スザクは前を向いた。しかし後ろでルルーシュは、ほっと胸を撫で下ろして、
今度こそは見つからないようにとでもいうように、気づかれない程度の動作で自身の鼻を手で覆った。毎夜、顔へ翳す仕草にも似て。

























何も自分に対しては深く踏み込んでこない騎士の態度には、いつもいつも感謝していた。
スザクはルルーシュがそう本心から思っているとは露ほどにも知らないと思うけれど、それでも自分は
たった一度くしゃみをしただけで、振り返ってくれる彼の顔に胸を騒がせずにはいられないもので。同時に、一抹の申し訳なさも
感じてはいた。
スザクは自分が『気にするな』と言えば、たとえそうに見えなくても表面上は納得して
何事もなかったように先を歩いてくれる。それが一番嬉しかった。
彼の傍は最近とても居心地がいい。

夜になればスザクはいつも自分が就寝する横で、完全に意識が落ちるまで付き添ってくれていた。
たまにしてくれる昔話や、生徒会の友人の話題などでルルーシュの意識が覚醒しきってしまって困ることにもなるのだが
そんな時でも自分の部屋には帰らず、また心が静かになるまで付き合ってくれていた。

しかし、最近はどこか深夜になると一人でに不安になって。

ルルーシュは眠ったフリをすることが多くなった。コットンの肌触りのいいパジャマに身を包み、いつも通り枕元に肘をつけて
こちらを見はせず、部屋の天井へ視線をやるスザクへは悟られないよう、熟睡したというように寝息まで演技で作って、
彼を無言で帰らせた。そしてまた起き上がって、日に日に昔の自分とは離れて行く容姿を確認するようにクローゼットを
開いてしまう。
なあ、俺の身体はいつ、こんな女々しいものになった?……たまにつけられている赤い痕を見て思う。

彼のものになるのは嬉しい。彼が求めてくれるのは嬉しい。自分だって我が身のことなど考えずに浅ましく、広げてくれる腕の中で
スザクの匂いを吸い込んで満足している。その瞬間が最近のお気に入りだった。それは否定しない。
が、それを自覚した時は、ルルーシュ自身以前の自分とは変わりきっていたということに絶望した。
思えばその時から、夜の孤独の中、狭いクローゼットへ痩躯を押し込めるようになったのではないか。

(…………こんなんじゃ、駄目だ)

異母妹に背を押され、異母兄に背を向けてエリア11へやってきた当時のルルーシュは、こんな些細な変化に戸惑うほど
弱くはなかった。
なのに今はどうして、ほんの少し、彼-------スザクとの距離が近くなっただけで身体の成長が恐いと思うのだろう。
貧弱だということに変わりはないが、この薄い身体はもう、触れられた所がないというくらい、スザクに浸透されている。
ああ、ならば、……そうであるなら、

シュナイゼルのことに、ナナリーのことに、自分のしてきたことに、これからすることに、一々立ち止まらなくてもいいように



全部、彼の『もの』にして欲しかった。
この願いは傲慢であろうか。























騎士団が沈静化することに至る要因となった港沖での彼らとの攻防は、
一時的にだが異母姉コーネリアを入院させることを余儀なくさせた。
それはルルーシュが突如独断で、海上に現れた実弟へランスロットで突撃したことにあるのだが、コーネリア自身それこそが
自分の負傷と直接関わりのあることではないと思っていた。
身体のほうも快復へ向かい、包帯の数も減った。皇室用の特別室で快適に生活を送っていたが、ちょくちょくルルーシュは
異母姉の様子を見にやってきていた。かならず自分の趣味でもあり好きなものでもある花を携えて。今日は鮮やかなチューリップ
にした。
「本当は、マナーとしても生ものを持ってきてはいけないのですが」
「気にするな。丁度目が色を欲しがってたんだ」
いつも気を使ってその時々で一番いいものを、と見繕ってきてくれることを知っている。コーネリアは執務服ではない、年相応の
格好をしたルルーシュの出で立ちにうんうんと頷きながら、今日は来客用のソファではなく自分の膝上へと手招いた。
「えっ」
当然硬直し、膝丈のパンツでやってきたことでどうしても迷ってしまうのか、ルルーシュは立ち止まる。
が、コーネリアは構うことなく『おいで』と両手でルルーシュの腰を掴みとった。
「あ、姉君……」
「昔はよくしたものだよ。何を照れることがある。ユフィと争ったことだってあったじゃないか」
「そっそれはずっとずっと前のことです……!それに身体だってまだ」
「軽いから大丈夫だ」
傷に障るかもしれない、と腕をつっぱねて肩口で抵抗する妹へ、コーネリアは微笑むまま強引に
ベッドの上にある自分の太腿に座るよう押さえつけた。
「随分お前も成長したんだな」
にこやかに、どこか懐かしいというように目を細めて言われたルルーシュは、美麗としか言いようがないコーネリアの顔を
見つめて、その久しぶりの近さに無意識にも頬を染めてしまった。屋内の乾燥した空気が染み込まれた掌が
首筋に垂れた黒髪を一房掬う。どうしていきなりこんな接触をするようになったのか。
硬直したまま借りてきた人形のように大人しくしているルルーシュの身体を検分するように触れていたコーネリアは、ふっと力を抜くように
その手を下ろして、今度は少し垂れ下がってきた細い肩へ、抱くように腕を回した。ユーフェミアにするのと同じような
戯れである。
「……どうされたのですか、姉君」
首筋にあたるラベンダーにほど近い髪の毛が、優しく触れてくるのにルルーシュの強張った力が緩んだ。
そうしたら近かった距離が少し遠くなって、真正面に異母姉の顔を見据えることになった。兄弟の中で一番近い色合いの双眸が、
空中で絡む。が、すぐにまた微笑みへ変わった。もしかしたら、ただ触れたいというコミュニケーションであっただけなのかもしれない。
「ずっと前から、そうだな、英国を出てきた頃から、少しお前の身体つきが変わってきたように思っていた」
「あ……」
それはもしかしたら自分がスザクとセックスしだしてからではないのだろうか、と咄嗟に思ってしまった。しかし気づいて欲しくなかった
ので更に赤くなった顔を背けて隠す。
異母姉はそれを不思議に思うこともなく、ぼんやりと見つめたまま言葉を続けた。
「ルルーシュお前、ちゃんと重くなった」
「お、重い、ですか」
「そう、重く……、髪も短くなったのにまた伸びてきたような気がする。以前は長いままであったからあまり変化がなく
どこか不安だったんだ。でももう、大丈夫みたいだな」
生理も来たようだし、と赤裸々に言われる。赤面したまま無言で相槌代わりにこくこくと頷いた。

個室であるから当然なのだが、廊下を渡る人間の足音すら響かない。その空間で、異母姉はサラサラと指通りのいい自分の髪を
口を開くたびに撫でつけていた。
ルルーシュも拒むことなく俯いたまま、『ルルーシュは』と続けられる一言一言に懐かしさを噛み締めて、うんうんと返事を
返すのみしか、口にしなかった。出来なかった、……緩やかに二人きりで過ごすことなどありふれているようでしかし、
あまりなかったから。
大事にしようと思い、過ごす時間はとても貴重だった。ずっと深夜に感じていた孤立は少し薄れたような気がした。
持ってきたチューリップの色合いが置いてきてしまった異母妹に似ていたからだろうか。
やはり兄弟は切って切り離せない自分の片割れであるのだ。

「あねぎみ」

小さく、紫電をピタリとあわすように見つめた先で、自分を膝に乗せたまま笑いかけるコーネリアを呼んでみた。

「何だ」

すかさず返事が返ってくる。ルルーシュは頬から熱が引くのを待って、
ナナリーが消えてからずっと考えていたことを、声にして打ち明けた。




「人って、本当に好きなひとが出来ると、変わるものなんですね」
「何だ、誰か……いい奴でもいるのか」

驚いたように瞳を見開かれる。うわわ、どうしようとまた俯いてしまいたくなったがどうにか押し留めて、
彼女の膝の上でじわりと染み込む体温を感じながら、どうにか気持ちを落ち着けて言ってみた。
「多分、本当に好きなひと、だと思うんです」
「…………異母兄上やユフィが憤慨するなきっと」
「あ、姉君は?」
「少し寂しいだけさ」
にこ、と微笑んだらすぐに笑顔が返された。異母姉はどの兄弟よりも自分から距離をおいて客観視してくれている。だから
英国を出てくるとき追いかけてきてくれたことが嬉しかったのだ。
そう思い返してみれば異母姉が大好きだったことに気づいて、細く頼りない腕を一杯に広げて抱きついた。そしたらやはり
温かな肌がふわりと重なって、すぐに背中を同じ体温が包み込むことになった。暫しそうやって抱き合っていた。

















足元が浮きたつような軽やかな足取りでロビーを出たら、同じく珍しい私服姿でスザクが迎えに来てくれていた。
襟元がざっくりと開いた薄手のグレーのシャツに、白いロングパンツが長身をさらにスリムに見せている。
驚いて瞳を瞬かせれば『おかえりなさい』と細い手をとられた。
「何、どうしたの?」
「ちょっと市街のほうに出ようと思いまして」
そのまま変わらずの態度で手を握られてしまって、慌てて荷物の中に入れていた帽子を被る。
「ばかお前、こんなことしてギルフォードさんに怒られても知らないぞ」
急な予定としか言いようがない彼の勝手な行動に、少しは腹を立てる素振りも見せなくては従順すぎる、と思って
そっぽを向けば、スザクはきょとん、とよくわからない表情でこちらを振り向いた。
「別にこんな所、他人に見られもしないでしょうに」
「それもあるけど、……俺は、想定外のことが嫌いなんだ」
「はあ」
無骨な振る舞いに躍らされてたまるか、と思って、内心の嬉しさをこっそり隠しながら睨みつけてみる。
首をかしげたままスザクは少し考え込んで、また何か思いなおしたのか、繋いでいた手を一度離して、
頭の位置は彼のほうが高いのに自分に合わせて、背を胸元辺りにおとしてきた。きょとん、となるのはこちらの番で。
「じゃあちゃんとお誘いし直そうかな。---------------気分転換に行きませんか?わが君」
とても稀有なあたたかい翡翠の誘惑に、ルルーシュは抗えなかった。
再度、下方から手を差し出されて、おどおどとしながらそこへ自分の掌を重ねる。目的地も聞かないまますぐに彼の横を
歩かなくてはいけなくなって。
「遊びに行くのはいいけど、……どこ行くんだ?」
「のんびり出来るとこです」
”貴方が今晩こそは熟睡出来るようにね”と言付けられて、その言葉に身を凍らせた。不眠となっていたことに気づかれていたのか。


病院からそう離れてない場所に自由解放型の庭園があることを、時々コーネリアを見舞っていたというのにあることさえ知らなかった
ルルーシュは、慣れた動作で自分のぶんのパスも購入しているスザクの隣で、天井部分を広く覆うビニールハウスにただ驚嘆
していた。
というか、
「スザクでも花なんて見るんだな」
なんて思ってしまって隠そうともせず口から出てしまう。
「結構好きですよ、僕は花」
「そう……」
頭を覆っていたキャップのつばを持ち上げて、蔓のように垂れ下がった花びらたちの鮮やかさに感服する。彼とはまだ手は繋いだまま
だったから自然同じルートと同じテンポで見ていくこととなった。時刻は夕方だったので辺りは黄昏に包まれている。
ふと、道の先まで覆っていた花の茎や蔓が、突然消えた。
視界が広くなってまず見えてきたのは、大きなバケツのような鉢に納められた幾多のデルフィニウム。縦に長く、青やピンクの
花をつけるそれは、まるで輝くキャンドルのようだった。-----------確か、自分が彼と誓約する時耳につけていた花だった
ように思う。まず、気候的に日本で自然には育たない花が、どうしてこの庭園では育てられているのか。
「俺、これ好き」
子供のような感想が口から飛び出てきてしまった。けれど彼は『そう』と嬉しそうに笑ってくれて、もっと寄ろうというように
前へ進んで行った。ここまで歩いてきてしまえば温室特有の熱気が、逆に居心地いいものになってしまう。吸い込む空気が
とても綺麗だった。
(花……)
デルフィニウムは、シュナイゼルと母マリアンヌが主に座していた離宮でのみ栽培されていたものだった。
皇室では、一人につきひとつの花が授けられている。ユーフェミアはチューリップ、コーネリアは百合、ナナリーはダリアだった。

シュナイゼルは、デルフィニウム。

花言葉は確か、『誰もがあなたを慰める』もしくは、『貴方は幸福をふりまく』だった。
「殿下は、」
「え?」
温室の中には、自分たちしか居なかった。後ろのほうに設置されたスピーカーから閉園のアナウンスが流れている。
スザクはルルーシュのほうを見て、何か言いよどんだかと思えばふっ……と口元を和らげて『何でもない』と言った。
「気になるな。言いかけたんなら最後まで言えよ」
「いや、その、恥かしいことを言いそうになったので」
「どうして」
「……うーん」
「何」
更にきつく問いかければ、とうとう沈黙してしまった。花を見せてくれたのは嬉しいが、曖昧なまま彼との会話が終わるのは
嫌だと思う。はっきりしないところも、例え遠慮しているにしたって明確にしてほしいものだと思う。
むっすりとした顔つきになって前のほうを睨んでいたら、スザクが居心地悪そうに肩を揺らした。
そして、別にもう真相はいいか、とスザクの言葉の続きを諦めかけていたところで、ルルーシュの顔に影がさす。ふ、と紫電を
翡翠のほうへ重ねたら、耳元に口が吸い寄せられた。
















-----------------え。















思考がピタリと固まってしまって、呆然と翡翠を仰ぐ。本人曰く『恥かしい』ことを言ってしまったスザクは眉を寄せた難しい顔をして
まるでさっきの発言をごまかすように再び屈み込んで、噛みつくようなキスをしてきた。
されるがままに口付けを受容して、まるでいつものように、自然と背中へ腕を回してしまう。

驚いた。驚いていた。
まさか彼が、そんなことを言ってくれるとは思ってなかったのだ。

ルルーシュはルルーシュの中の殻に、強引にも皹をいれてくれたスザクへ
自身すらも提供してもいいと思い始めていた。
でもそれ以前に、ルルーシュは騎士としてスザクにずっと感謝していた。傍にいてくれて有難う、と態度に現せれてたらいい、
いつもそうしていられたらいい、と。

厳しくして、
泣いていたら泣き止むようにはり倒して、
でも縋り付く時は全身で受け止めて。

それがルルーシュの中での”すべて”に値する要求だった。

(でも……ああ、こいつのは、こいつのは……なん、て)





毎晩ナナリーの面影と重なる部分を探し、そしてナナリーから離れていく成長に怯える自分を
嫌ってくれたらよかったのに。スザクは自分には馬鹿なほど優しかった。


















『殿下は、笑顔が……』


花のようだ、なんて、どこの口説き文句だばか、と罵ってやりたい。















でも例え花のようになれたとしても、ルルーシュにはもう散ってしまうような花びらしか残っていなかった。
けれどそれすらも掬っておいてくれるような気が彼にはして。

少しだけいつもよりはながい口付けから解放された後、コーネリアがしてくれたように大きな腕にルルーシュは抱き上げられた。
ただ胸だけが熱くなって、その日は恨み言のひとつも言えず甘えさせられることしか出来なかった。







この気持ちをどう、現せたらいいのだろうか。返せたらいいのだろうか。何に喩えれば、


















(野原を彼は知っていたので)